WordPressでセキュリティ強化対策のポイント

WordPressは世界中で最も人気のあるCMS(コンテンツ管理システム)ですが、その分、様々な攻撃の対象になりやすいです。WordPressのセキュリティ対策は、サイトの安全性と信頼性を高めるために欠かせません。この記事では、WordPressにセキュリティ対策が必要な理由と、WordPressを脅かす攻撃の実例を紹介した後、WordPressのセキュリティ対策の5つのポイントと、セキュリティ強化におすすめのプラグインやツールをご紹介します。

WordPressにセキュリティ対策が必要な理由を解説

WordPressにセキュリティ対策が必要な理由は、主に以下の4つです。

理由1. 世界中で利用されるオープンソース

WordPressはオープンソースのソフトウェアであり、誰でも自由に利用や改変ができます。そのため、世界中で多くのユーザーや開発者がWordPressを使っています。しかし、その反面、WordPressのソースコードや仕組みも公開されているため、悪意のあるハッカーがWordPressの脆弱性を探して攻撃することも可能です。WordPressは定期的にアップデートされてセキュリティの改善が行われていますが、それに伴って新たな脆弱性が発見されることもあります。WordPressを利用する場合は、常に最新のバージョンにアップデートすることが重要です。

理由2. セキュリティ意識の低いユーザーが多く、攻撃の標的になりやすい

WordPressは初心者でも簡単に使えることが魅力の一つですが、その分、セキュリティに関する知識や意識が低いユーザーも多くいます。例えば、デフォルトのユーザー名やパスワードを変更せずに使っているユーザーや、不要なテーマやプラグインを削除しないユーザーなどです。これらのユーザーは、ハッカーにとって簡単に攻撃できる対象となります。WordPressを使う場合は、基本的なセキュリティ対策を行うことが必要です。

理由3. プラグインに潜む脆弱性

WordPressの魅力の一つは、様々な機能を追加できるプラグインです。しかし、プラグインにも脆弱性が潜んでいることがあります。プラグインはWordPressのコアとは別に開発されているため、WordPressのアップデートと同期されないことがあります。また、プラグインの開発者によっては、セキュリティの品質が低い場合もあります。プラグインによっては、アップデートが停止されたり、サポートが終了したりすることもあります。これらのプラグインは、ハッカーにとって攻撃の入り口となります。WordPressを使う場合は、必要なプラグインだけを選んで、常に最新の状態に保つことが必要です。

理由4. インターネット上にある管理画面

WordPressはインターネット上にある管理画面からサイトの設定や更新ができます。この管理画面は、ユーザー名とパスワードを入力することでログインできます。しかし、この管理画面もインターネット上に公開されているため、ハッカーがブルートフォース攻撃などでログインを試みることがあります。ブルートフォース攻撃とは、自動的に多数のユーザー名やパスワードの組み合わせを試すことで、ログインを破る攻撃のことです。WordPressを使う場合は、管理画面へのアクセスを制限したり、二段階認証を設定したりすることが必要です。

WordPressを脅かす攻撃の実例

WordPressにセキュリティ対策が必要な理由を解説しましたが、具体的にどのような攻撃があるのでしょうか。ここでは、WordPressを脅かす攻撃の実例を3つ紹介します。

実例1. 自動的な詐欺サイトへのリダイレクト

この攻撃は、WordPressのサイトにアクセスしたユーザーを、自動的に詐欺サイトや広告サイトにリダイレクトするものです。ユーザーは、本来のサイトの内容を見ることができず、詐欺サイトに騙されたり、個人情報を盗まれたりする危険があります。この攻撃は、WordPressのコアやテーマやプラグインにある脆弱性を突いて、サイトのコードに不正なスクリプトを挿入することで行われます。この攻撃を防ぐには、WordPressやテーマやプラグインを最新に保つことや、不正なスクリプトを検出するプラグインを使うことが有効です。

実例2. コンテンツの改ざん

この攻撃は、WordPressのサイトのコンテンツを改ざんするものです。ユーザーは、本来のサイトの内容とは異なる内容を見ることになります。例えば、サイトのタイトルやロゴが変更されたり、不適切な画像や文章が挿入されたり、リンクが別のサイトに飛ばされたりすることがあります。この攻撃は、WordPressの管理画面にログインできるユーザー名やパスワードを盗むことや、WordPressのデータベースにアクセスすることで行われます。この攻撃を防ぐには、ユーザー名やパスワードを推測されにくいものにすることや、管理画面へのアクセスを制限することが有効です。

WordPressのセキュリティ対策5つのポイント

WordPressを脅かす攻撃の実例を見てきましたが、どのようにしてWordPressのセキュリティを強化できるのでしょうか。ここでは、WordPressのセキュリティ対策の5つのポイントをご紹介します。

対策1. 推測されにくいユーザー名とパスワードを使用する

WordPressの管理画面にログインするためには、ユーザー名とパスワードが必要です。しかし、デフォルトのユーザー名は「admin」であり、パスワードも簡単なものを設定しているユーザーが多いです。これでは、ハッカーにとって簡単にログインできる対象となります。WordPressのセキュリティ対策の第一歩は、推測されにくいユーザー名とパスワードを使用することです。ユーザー名は、自分の名前やメールアドレスなどの個人情報を含まないものにしましょう。パスワードは、大文字と小文字と数字と記号を組み合わせた、8文字以上のランダムなものにしましょう。また、パスワードは定期的に変更することもおすすめです。

対策2. 不要なテーマやプラグインを削除する

WordPressのテーマやプラグインは、サイトのデザインや機能を豊かにするものですが、不要なものは削除することが重要です。不要なテーマやプラグインは、サイトのパフォーマンスを低下させたり、脆弱性を持っていたりする可能性があります。特に、アップデートが停止されたり、サポートが終了したりしたテーマやプラグインは、セキュリティのリスクが高いです。WordPressのセキュリティ対策の第二歩は、不要なテーマやプラグインを削除することです。テーマやプラグインの一覧から、使用していないものや古いものを選んで、削除しましょう。また、テーマやプラグインをインストールする際には、信頼できる開発者やサイトからダウンロードすることも大切です。

対策3. テーマやプラグインを常に最新の状態に保つ

WordPressのテーマやプラグインは、不要なものは削除することが重要ですが、必要なものは常に最新の状態に保つことが重要です。テーマやプラグインは、定期的にアップデートされて、セキュリティの改善やバグの修正が行われています。しかし、アップデートを行わないと、その恩恵を受けることができません。WordPressのセキュリティ対策の第三歩は、テーマやプラグインを常に最新の状態に保つことです。テーマやプラグインの一覧から、アップデートがあるものを選んで、アップデートしましょう。また、自動アップデートの設定をすることもおすすめです。

対策4. 外部から重要なファイルへのアクセスを制限する

WordPressのサイトは、様々なファイルで構成されています。その中には、サイトの設定やデータベースの情報など、重要なファイルもあります。これらのファイルは、外部からアクセスされると、サイトの安全性や機能性に影響を与える可能性があります。WordPressのセキュリティ対策の第四歩は、外部から重要なファイルへのアクセスを制限することです。例えば、wp-config.phpというファイルは、WordPressの設定やデータベースの情報を含むファイルです。このファイルには、以下のコードを追加することで、外部からのアクセスを拒否できます。

PHP

// wp-config.php
// 外部からのアクセスを拒否するコード
if ( ! defined( 'ABSPATH' ) ) {
  exit;
}

AI で生成されたコード。ご確認のうえ、慎重にご使用ください。FAQ で詳細を確認

また、.htaccessというファイルは、サーバーの設定を変更するファイルです。このファイルには、以下のコードを追加することで、特定のファイルやディレクトリへのアクセスを制限できます。

# .htaccess
# 特定のファイルやディレクトリへのアクセスを制限するコード
<FilesMatch "^.*\.php$">
  Order Deny,Allow
  Deny from all
</FilesMatch>
<Files wp-login.php>
  Order Allow,Deny
  Allow from all
</Files>
<Directory wp-includes>
  Order Deny,Allow
  Deny from all
</Directory>
<Directory wp-content>
  Order Deny,Allow
  Deny from all
</Directory>
<Directory wp-content/uploads>
  Order Allow,Deny
  Allow from all
</Directory>

対策5. 外部からのアクセス制限

WordPressの管理画面やファイルへのアクセスを制限することは、WordPressのセキュリティ対策の一つですが、それだけでは不十分です。ハッカーは、WordPressのサイトに対して、様々な方法で攻撃を試みます。例えば、DDoS攻撃というのは、大量のアクセスを送りつけて、サイトのサーバーをダウンさせる攻撃のことです。このような攻撃を防ぐには、外部からのアクセスを制限することが必要です。WordPressのセキュリティ対策の第五歩は、外部からのアクセス制限です。例えば、IPアドレスや国別にアクセスを制限することができます。これには、プラグインやファイアウォールなどのツールを利用することが有効です。

WordPressのセキュリティ強化におすすめのプラグイン

WordPressのセキュリティ対策のポイントをご紹介しましたが、それらを一つ一つ手動で行うのは大変です。そこで、WordPressのセキュリティ強化におすすめのプラグインをご紹介します。これらのプラグインは、WordPressのセキュリティ対策を簡単に行うことができるものです。

1. All In One WP Security & Firewall

All In One WP Security & Firewallは、WordPress用のセキュリティプラグインです。

2. Google Authenticator

Google Authenticatorは、WordPressの管理画面に二段階認証を導入するプラグインです。二段階認証とは、ユーザー名とパスワードのほかに、スマートフォンなどの別のデバイスで生成される一時的なコードを入力することで、ログインを確認する仕組みのことです。このプラグインは、Google Authenticatorというアプリをスマートフォンにインストールすることで、WordPressの管理画面にログインする際に、アプリで生成されるコードを入力するように要求します。これにより、ハッカーがユーザー名やパスワードを盗んでも、ログインできないようになります。WordPressのセキュリティ対策の一つとして、二段階認証を設定することがおすすめです。

3. WPdoctor

WPdoctorは、WordPressのセキュリティリスクをチェックするツールです。このツールは、WordPressのサイトのURLを入力することで、サイトのセキュリティ状況を分析して、レポートを表示します。レポートには、サイトのセキュリティレベルや、改善すべき点や対策方法などが記載されています。このツールは、WordPressのセキュリティ対策の効果を確認することや、セキュリティの問題を発見することに役立ちます。WordPressのセキュリティ対策を行った後に、WPdoctorを利用してセキュリティを確認することがおすすめです。

まとめ

WordPressは世界中で最も人気のあるCMSですが、その分、様々な攻撃の対象になりやすいです。WordPressのセキュリティ対策は、サイトの安全性と信頼性を高めるために欠かせません。この記事では、WordPressにセキュリティ対策が必要な理由と、WordPressを脅かす攻撃の実例を紹介した後、WordPressのセキュリティ対策の5つのポイントと、セキュリティ強化におすすめのプラグインやツールをご紹介しました。WordPressを使う場合は、これらの対策を行って、サイトのセキュリティを強化しましょう。