優良誤認とは?有利誤認との違いと、広告表現のチェック方法

ホームページ、LP、バナー広告、SNS、パンフレット。事業者が、自社の商品やサービスの取引について出す広告や表示は、景品表示法の対象になります。

「業界No.1」「効果が出ると保証します」「今だけ半額」。
こうした表現は、広告でよく使われます。

ですが、根拠がなかったり、実際と違っていたりすると、景品表示法違反になることがあります。

この記事では、「優良誤認」の基本と、よく混同される「有利誤認」との違い、日々の広告チェックのポイントを、順番に整理します。
※この記事の内容は2026年10月時点のものです。

優良誤認とは

優良誤認とは、商品やサービスの品質、規格、その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示、または、競合の商品やサービスよりも著しく優良であると、事実に反して示す表示のことです。
景品表示法第5条第1号で禁止されています。

消費者庁は、次のような具体例を挙げています。

  • 中古車の走行距離を3万kmと表示したが、実際は10万km以上走った車のメーターを巻き戻したものだった
  • 国産の有名ブランド牛の肉のように表示して販売していたが、実はブランド牛ではない国産牛だった
  • 天然ダイヤを使ったネックレスのように表示したが、使われていたのは人造ダイヤだった

参考:優良誤認とは(消費者庁)

押さえておきたいポイント

  • 対象になるのは、商品・サービスを提供する事業者が出す表示です
  • ホームページ、LP、SNS、バナー広告なども、媒体を問わず対象です
  • 悪意の有無は、違反かどうかの要件ではありません

優良誤認と有利誤認の違い

この2つは混同されがちですが、対象が違います。

種類対象例
優良誤認(第5条第1号)商品・サービスの品質、規格、内容外国産なのに「国産」と表示する、効果のない商品に「痩せる」と表示する
有利誤認(第5条第2号)価格、数量、アフターサービスなどの取引条件実績のない「通常価格」から割り引いたように見せる「今だけ半額」
指定告示(第5条第3号)内閣総理大臣が指定した表示ステルスマーケティング、商品の原産国に関する不当な表示など
優良誤認と有利誤認の違い

たとえば、「通常価格1万円のところ、今だけ半額の5千円」という表示は、価格・取引条件に関するものなので、優良誤認ではなく、有利誤認の問題です。

参考:有利誤認や価格表示の考え方(消費者庁のよくある質問)

効果・性能の表示には「合理的な根拠」が必要

優良誤認の中でも、特に注意したいのが、効果や性能の表示です。

消費者庁は、優良誤認かどうかを判断するために必要なときには、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。これを「不実証広告規制」といいます。

事業者が、求められた資料を期間内に提出しなかった場合や、提出した資料が合理的な根拠を示すものとは認められなかった場合は、

  • 措置命令との関係では、不当表示とみなされ
  • 課徴金納付命令との関係では、不当表示と推定されます

つまり、効果をうたう表示は、根拠を出せなければ、不当表示として扱われるという、事業者にとって重い仕組みです。

「合理的な根拠」と認められるために

消費者庁は、次の2つが必要だとしています。

  1. 提出資料が、それ自体として客観的に実証された内容であること
  2. 表示された効果や性能と、提出資料で実証された内容が、適切に対応していること

参考:不実証広告規制(消費者庁)

なお、資料の提出期限、使用者の体験談の扱い、「No.1表示」の考え方などの詳しい内容は、消費者庁のよくある質問にまとめられています。

第三者に頼む宣伝は?ステルスマーケティング規制

インフルエンサーへの依頼や、アフィリエイト、口コミの依頼など、第三者を通じた宣伝にも、景品表示法のルールがあります。

2023年10月1日から、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(ステルスマーケティング)が、景品表示法で禁止される不当表示に加わりました(第5条第3号の指定告示)。

  • 実際は広告なのに、広告ではないように見える表示が対象です
  • 第三者が投稿したものでも、事業者がその内容の決定に関与していれば、「事業者の表示」にあたりえます
  • 規制の対象になるのは、商品やサービスを提供する事業者(広告主)です。違反が認められると、措置命令が行われます

依頼して宣伝してもらう場合は、広告であることが、見た人に分かるように明示することが基本です。

参考:指定告示の概要(消費者庁のよくある質問)

違反した場合は

景品表示法違反の疑いがある場合や、違反が認められた場合には、次のような処分や手続が行われます。

  • 措置命令:
    違反した表示をやめることなどを命じる行政処分
  • 課徴金納付命令:
    優良誤認や有利誤認があった場合に、売上額に応じた課徴金を納付させるもの。売上額の3%が基本とされています
  • 確約手続:
    違反の疑いがある事業者が、是正計画を作成して認定を受けると、措置命令や課徴金納付命令を受けない仕組み。2024年10月1日施行の改正で導入されました

課徴金の計算の詳しい条件(対象期間、免除される場合、減額など)や、2024年10月の改正の全体像(課徴金の加算、直罰規定など)は、消費者庁の公式ページで確認してください。
参考:課徴金納付命令の考え方(消費者庁)

ホームページ制作・広告運用の現場で、確認したいこと

Web制作・SEO・広告運用のサービスの表現

以下は、理解のための架空の例です。

  • 「SEO対策で、必ず検索1位になります」
  • 「アクセス数が、確実に2倍になります」
  • 「このホームページを作れば、売上が上がります」

成果や効果を断定する表現は、根拠がなければ、問題になるおそれがあります。成果は、業種、競合、時期などで変わるものです。

当社でも、「SEO対策で必ず1位」等の成果を保証する表現は使っていません。
SEO集客・運用支援

迷ったときの相談先

  • 弁護士:
    広告表現の事前チェックは、景品表示法に詳しい弁護士に相談するのが確実です
  • 消費者庁・公正取引委員会:
    景品表示法は消費者庁が所管しています。公正取引委員会の地方事務所も、調査や、相談への対応、普及啓発を行っています。中国地区は、近畿中国四国事務所の中国支所です
  • 消費生活センター:
    消費者の側からの相談窓口です(消費者ホットライン188)

まとめ

  • 優良誤認は、品質・規格・内容について、実際より著しく優れていると示す表示
  • 価格や取引条件の誤認は、有利誤認という別の規制
  • 効果や性能の表示には、合理的な根拠が必要。根拠を出せないと、不当表示とみなされる
  • 悪意がなくても、違反になりうる。公開前の確認と、根拠資料の保管が基本
  • 細かい内容や最新の改正は、消費者庁の公式ページで確認し、判断が難しいときは弁護士へ

広告表現や、ホームページの運用についてお困りでしたら、お気軽にご相談ください。法的な判断が必要な場合は、弁護士への相談をおすすめします。