SassとPostCSSの違いを徹底比較! フロントエンドエンジニアが知っておくべきこと

フロントエンドエンジニアの皆さん、CSSの記述効率、CSS設計、Webパフォーマンスの向上に課題を感じていませんか?
SassとPostCSS、どちらを使うべきか迷っている方もいるかもしれません。

本記事では、SassとPostCSSの違いを徹底的に比較し、それぞれのメリット・デメリット、使い分けの基準を分かりやすく解説します。プロジェクトに最適なツールを見つけ、開発効率を最大化しましょう!

目次

SassとPostCSSとは? 基本的な違いを理解

Sassとは? CSSを効率化するプリプロセッサ

Sass(Syntactically Awesome Stylesheets)は、CSSをより効率的に記述するためのCSSプリプロセッサです。簡単に言うと、SassはCSSを拡張したもので、変数、ネスト、Mixinといった便利な機能を提供します。これにより、CSSの記述量を減らし、コードの可読性とメンテナンス性を向上させることができます。

Sassは、最終的にCSSにコンパイルされます。つまり、Sassで記述したコードは、ブラウザが理解できるCSSに変換される必要があります。このコンパイル作業は、Sassのコンパイラによって行われます。コンパイラは、Sassのコードを解析し、対応するCSSを生成します。このコンパイルの過程があるため、Sassを使用するには、環境構築が必要となります。

PostCSSとは? CSSを変換するJavaScriptツール

PostCSSは、CSSを変換するためのJavaScriptツールです。Sassとは異なり、PostCSS自体はCSSを記述するためのものではありません。PostCSSは、CSSを解析し、様々な処理を行うための「プラグイン」を適用するための基盤となります。プラグインを使用することで、ベンダープレフィックスの自動付与、CSSの最適化、最新のCSS記法の利用など、様々なことができます。

PostCSSは、Node.js環境で動作し、webpackなどのビルドツールと連携して使用されることが多いです。PostCSSもSassと同様に、コンパイルの過程が必要ですが、その目的が異なります。SassはCSSを生成するためにコンパイルしますが、PostCSSはCSSを変換するためにコンパイルします。

Sassのメリット・デメリット

Sassのメリット:変数、ネスト、Mixin

Sassの最大の魅力は、CSSの記述を効率化する様々な機能です。特に、変数、ネスト、Mixinは、CSSを書く上での生産性を格段に向上させます。

変数

変数は、繰り返し使用する値を一箇所で定義し、再利用を可能にします。

例えば、ブランドカラーやフォントサイズを$primary-color: #007bff;のように定義しておけば、CSS内で$primary-colorと記述するだけで、その色を呼び出すことができます。
これにより、色の変更が必要になった場合でも、変数の値を変更するだけで、すべての箇所に反映させることができ、修正の手間を大幅に削減できます。

ネスト

ネスト機能は、CSSの階層構造を視覚的に表現できます。
これにより、コードの可読性が向上し、どのスタイルがどの要素に適用されているのかを直感的に理解できます。

例えば、.container内のh1要素のスタイルを記述する場合、CSSでは以下のように記述します。

.container {
  /* ... */
}
.container h1 {
  /* ... */
}

Sassでは、これをネストを使って以下のように記述できます。

.container {
  /* ... */
  h1 {
    /* ... */
  }
}

ネストを使用することで、コードが整理され、関連するスタイルが近くにまとまるため、メンテナンス性が向上します。

Mixin

Mixinは、再利用可能なCSSの塊です。Mixinを使用すると、特定のスタイルを複数の箇所で使い回すことができます。

例えば、角丸のスタイルを定義するMixinを作成し、必要な箇所で呼び出すことができます。

@mixin rounded-corners($radius: 5px) {
  border-radius: $radius;
  -webkit-border-radius: $radius;
  -moz-border-radius: $radius;
}

.button {
  @include rounded-corners(10px);
}

.box {
  @include rounded-corners;
}

このように、Mixinを使うことで、コードの重複を避け、効率的にスタイルを記述できます。これらの機能により、SassはCSSの記述を大幅に効率化し、開発者の生産性を向上させます。

Sassのデメリット:コンパイルが必要

Sassの最大のデメリットは、コンパイルが必要であることです。

Sassで記述されたコードは、ブラウザが直接理解できるものではなく、CSSに変換(コンパイル)する必要があります。このコンパイル作業は、Sassのコンパイラによって行われるため、Sassの環境構築が必要となり、設定の手間が発生します。

コンパイルには、Sassのコンパイラをインストールし、コマンドラインまたはビルドツールを使用してSassファイルをCSSファイルに変換する作業が含まれます。このプロセスは、開発ワークフローに余分なステップを追加することになります。また、コンパイルエラーが発生した場合、エラーの原因を特定し、修正する必要があるため、場合によっては時間がかかることもあります。

しかし、このコンパイルという手間は、Sassの強力な機能と、それによって得られる開発効率の向上を考えると、十分に価値のあるものと言えるでしょう。さらに、webpackなどのビルドツールを使用することで、コンパイル作業を自動化し、開発プロセスを効率化することも可能です。

PostCSSのメリット・デメリット

PostCSSは、CSSをより高度に、そして効率的に扱えるようにする強力なツールです。

しかし、PostCSSにもメリットとデメリットが存在します。それぞれの特性を理解し、自身のプロジェクトに最適な選択をするために、詳しく見ていきましょう。

PostCSSのメリット:プラグインによる拡張性、CSSの進化への対応

PostCSSの最大のメリットは、その高い拡張性です。PostCSSは、様々な機能を付加できる「プラグイン」の仕組みを採用しており、これによりCSSの可能性を大きく広げることができます。また、CSSの最新の仕様にいち早く対応できる点も大きな魅力です。

プラグインによる拡張性

PostCSSのプラグインは、ベンダープレフィックスの自動付与、CSSの最適化、最新のCSS記法の利用など、多岐にわたる機能を提供します。

例えば、autoprefixerプラグインを使用すれば、ブラウザごとの互換性を考慮したベンダープレフィックスを自動的に付与できます。これにより、開発者はブラウザ間の互換性を意識することなく、CSSを記述できます。また、cssnanoプラグインを使用すれば、CSSファイルを自動的に最適化し、ファイルサイズを削減できます。これにより、Webサイトの表示速度を向上させることができます。

PostCSSのプラグインは、npm(Node Package Manager)を通じて簡単にインストールできます。豊富な種類のプラグインが公開されており、自分のプロジェクトに必要な機能を自由に選択して組み合わせることができます。これにより、開発者は、自分たちのニーズに合わせて、CSSの処理をカスタマイズできます。

CSSの進化への対応

CSSは日々進化しており、新しい機能や記法が次々と登場しています。PostCSSは、これらの最新のCSS仕様にいち早く対応できるという強みを持っています。PostCSSプラグインを使用することで、まだブラウザがネイティブで対応していないCSSの機能を、今すぐにでも利用することができます。例えば、CSS Custom Properties(CSS変数)や、CSS Grid Layoutなど、最新のCSS機能を、PostCSSを通じていち早く利用できます。これにより、開発者は、最新のCSS技術を積極的に取り入れ、よりモダンで効率的なCSSを書くことができます。

PostCSSのデメリット:設定の複雑さ

PostCSSは非常に強力なツールですが、導入と設定にはある程度の知識と手間が必要です。特に、初めてPostCSSを使用する人にとっては、設定の複雑さが障壁となる可能性があります。

設定の複雑さ

PostCSSを使用するには、Node.jsとnpmの環境が必要です。また、PostCSSの設定ファイル(postcss.config.jsなど)を作成し、使用するプラグインを記述する必要があります。プラグインの種類や数が増えるほど、設定ファイルは複雑になります。webpackなどのビルドツールと連携させる場合、さらに設定が必要になることもあります。

PostCSSの設定には、ある程度の知識と経験が必要となるため、初心者にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、一度設定してしまえば、その後の開発効率は格段に向上します。また、多くのWebサイトやブログでPostCSSの設定方法が解説されているため、それらを参考にしながら、徐々にPostCSSの知識を深めていくことができます。

PostCSSの導入と設定は、確かに手間がかかるかもしれませんが、その先に得られる恩恵は非常に大きいです。拡張性の高さや、最新のCSS仕様への対応など、PostCSSのメリットを最大限に活かすために、設定の複雑さを乗り越える価値は十分にあります。

SassとPostCSSの比較:機能、パフォーマンス、学習コスト

機能の比較

SassとPostCSSは、どちらもCSSの記述を効率化するためのツールですが、その機能は異なります。Sassは、変数、ネスト、Mixinといったプリプロセッサ機能を持ち、CSSの記述を簡潔にすることができます。一方、PostCSSは、プラグインによって様々な機能を追加できる柔軟性があり、ベンダープレフィックスの自動付与やCSSの最適化など、幅広いことができます。

Sassは、独自の構文で記述し、CSSにコンパイルする必要があります。そのため、Sassの機能を最大限に活用するには、Sassの構文を理解し、コンパイル環境を整える必要があります。PostCSSは、既存のCSSを変換するため、特別な構文を覚える必要はありません。しかし、PostCSSのプラグインを適切に選択し、設定する必要があります。

パフォーマンスの比較

SassとPostCSSのパフォーマンスは、プロジェクトの規模や、利用する機能によって異なります。Sassは、コンパイル時にCSSを生成するため、小規模なプロジェクトであれば、パフォーマンスへの影響は少ないと考えられます。しかし、大規模なプロジェクトで、SassのネストやMixinを多用すると、コンパイルに時間がかかる可能性があります。

PostCSSは、CSSを変換する際に、プラグインによる処理が行われます。そのため、利用するプラグインの数や種類によっては、ビルド時間が長くなる可能性があります。しかし、PostCSSは、CSSの最適化プラグインを活用することで、最終的なCSSファイルのサイズを小さくし、Webサイトの表示速度を向上させることができます。

学習コストの比較

SassとPostCSSの学習コストは、それぞれの特徴によって異なります。Sassは、変数の定義やネスト、Mixinといった独自の構文を学ぶ必要があります。しかし、これらの機能は、CSSの記述を効率化するために非常に役立ちます。Sassの構文は、比較的理解しやすく、Web上にも多くの情報が公開されているため、学習しやすいと言えるでしょう。

PostCSSは、CSSの知識があれば、比較的容易に使い始めることができます。PostCSS自体は、CSSを変換するための基盤であり、プラグインによって様々な機能を追加できます。PostCSSの学習には、プラグインの選び方や設定方法を学ぶ必要があります。しかし、PostCSSは、CSSの進化に対応できる柔軟性があり、最新のCSS技術を積極的に取り入れたい開発者にとっては、非常に魅力的なツールです。

使い分けのガイドライン:プロジェクトに最適な選択を

プロジェクトに最適なCSSプリプロセッサやPostCSSを選択することは、開発効率を向上させ、Webサイトのパフォーマンスを最適化するために不可欠です。ここでは、プロジェクトの特性に合わせてSassとPostCSSをどのように使い分けるか、具体的なガイドラインを示します。

プロジェクトの規模による使い分け

プロジェクトの規模は、使用するツールを選択する上で重要な要素です。

小規模プロジェクト

小規模なプロジェクト、例えばシンプルなランディングページや個人サイトでは、Sassが適している場合があります。Sassの変数、ネスト、Mixinといった機能は、CSSの記述量を減らし、開発効率を向上させるのに役立ちます。コンパイルの手間はありますが、小規模プロジェクトではそれほど大きな負担にはなりません。

中規模プロジェクト

中規模プロジェクトでは、SassとPostCSSのどちらも選択肢に入ります。Sassの基本的な機能に加え、PostCSSのプラグインを活用することで、より高度なCSS設計が可能になります。例えば、autoprefixerを使ってベンダープレフィックスを自動付与したり、cssnanoでCSSを最適化したりできます。プロジェクトの規模やチームのスキルに応じて、SassとPostCSSを組み合わせることも有効です。

大規模プロジェクト

大規模プロジェクトでは、PostCSSの柔軟性と拡張性が特に重要になります。PostCSSは、様々なプラグインを組み合わせることで、複雑なCSS設計に対応できます。例えば、CSS ModulesやCSS Grid Layoutといった最新のCSS技術を積極的に取り入れることができます。また、大規模プロジェクトでは、コードの品質と保守性が重要になるため、PostCSSのプラグインを活用して、CSSの品質を向上させることができます。

チームのスキルによる使い分け

チームのスキルも、ツールの選択に影響を与えます。SassとPostCSSは、それぞれ異なる知識とスキルを必要とします。

Sassが得意なチーム

Sassに慣れたチームであれば、Sassを積極的に活用することをおすすめします。Sassの構文や機能を熟知しているため、効率的にCSSを記述できます。PostCSSを導入する際は、Sassとの連携方法を学ぶ必要がありますが、Sassの知識を活かして、スムーズに移行できるでしょう。

PostCSSが得意なチーム

PostCSSに精通しているチームであれば、PostCSSを中心に、Sassと組み合わせて使用することも検討できます。PostCSSのプラグインを自由に組み合わせることで、自分たちのニーズに合わせたCSSの処理を実現できます。CSSの最新技術に積極的に取り組みたいチームにもおすすめです。

CSSの知識が豊富なチーム

CSSの知識が豊富なチームであれば、PostCSSのプラグインを使いこなせる可能性が高いです。PostCSSは、CSSの知識があれば、比較的容易に使い始めることができます。Sassの構文を覚える必要がないため、CSSの知識を活かして、効率的に開発を進めることができます。

将来性を見据えた選択

CSSは常に進化しており、新しい機能や記法が次々と登場しています。将来性を見据えてツールを選択することも重要です。

CSSの最新技術への対応

PostCSSは、CSSの最新技術にいち早く対応できるという強みを持っています。CSS Custom Properties(CSS変数)や、CSS Grid Layoutなど、最新のCSS機能を、PostCSSを通じていち早く利用できます。CSSの将来性を考えると、PostCSSは非常に魅力的なツールです。

メンテナンス性

プロジェクトの長期的なメンテナンス性を考慮することも重要です。Sassは、変数やMixinといった機能を提供し、CSSの記述を簡潔にすることができます。PostCSSは、プラグインを活用することで、CSSの品質を向上させ、メンテナンス性を高めることができます。

コミュニティと情報量

SassとPostCSSは、それぞれ活発なコミュニティがあり、多くの情報が公開されています。ツールの選択においては、コミュニティの活発さや、情報の多さも考慮に入れると良いでしょう。

SassとPostCSSの導入方法と設定方法

SassとPostCSSを実際に導入し、設定する手順を解説します。環境構築からビルドツールとの連携まで、具体的なコード例を交えながら、あなたのプロジェクトに最適な方法を見つけられるように、わかりやすく説明します。

Sassの導入と設定

Sassを導入するには、まずSassのコンパイラをインストールする必要があります。
Node.jsとnpmがインストールされていることを前提として、以下のコマンドを実行します。

npm install -g sass

これにより、グローバルにSassのコンパイラがインストールされます。次に、SassファイルをCSSファイルにコンパイルするための設定を行います。
Sassファイル(.scssまたは.sass)を作成し、以下のコマンドを実行します。

sass input.scss output.css

input.scssがSassファイル、output.cssが出力されるCSSファイルです。このコマンドを実行すると、input.scssの内容がoutput.cssにコンパイルされます。より実践的な方法として、webpackなどのビルドツールと連携させる方法があります。webpackの設定ファイル(webpack.config.jsなど)に、Sassローダーを追加します。Sassローダーを使用することで、Sassファイルをwebpackでバンドルし、CSSファイルとして出力することができます。

const path = require('path');

module.exports = {
  entry: './src/index.js',
  output: {
    filename: 'bundle.js',
    path: path.resolve(__dirname, 'dist'),
  },
  module: {
    rules: [
      {
        test: /\.scss$/,
        use: [
          'style-loader',
          'css-loader',
          'sass-loader',
        ],
      },
    ],
  },
};

この設定では、.scssファイルをsass-loadercss-loaderstyle-loaderで処理します。これにより、Sassファイルをwebpackでコンパイルし、CSSをHTMLに適用することができます。

PostCSSの導入と設定

PostCSSを導入するには、まずPostCSSと必要なプラグインをインストールします。
npmを使用して、PostCSSとautoprefixerプラグインをインストールする例を示します。

npm install postcss autoprefixer --save-dev

次に、PostCSSの設定ファイル(postcss.config.js)を作成します。このファイルで、使用するプラグインとその設定を定義します。
以下に、autoprefixerを使用する例を示します。

module.exports = {
  plugins: [
    require('autoprefixer')
  ],
};

この設定では、autoprefixerプラグインを読み込み、ベンダープレフィックスを自動的に付与します。PostCSSは、webpackなどのビルドツールと連携して使用することが一般的です。webpackの設定ファイルに、PostCSSローダーを追加します。PostCSSローダーを使用することで、CSSファイルをPostCSSで処理し、様々な変換を行うことができます。

const path = require('path');

module.exports = {
  entry: './src/index.js',
  output: {
    filename: 'bundle.js',
    path: path.resolve(__dirname, 'dist'),
  },
  module: {
    rules: [
      {
        test: /\.css$/,
        use: [
          'style-loader',
          'css-loader',
          'postcss-loader',
        ],
      },
    ],
  },
};

この設定では、.cssファイルをpostcss-loaderで処理します。postcss-loaderは、postcss.config.jsの設定に基づいて、CSSを変換します。

ビルドツールとの連携(webpackなど)

SassとPostCSSを連携させるには、webpackなどのビルドツールを使用することが一般的です。webpackの設定ファイルで、SassとPostCSSのローダーを設定し、CSSファイルの処理パイプラインを構築します。

例えば、SassとPostCSSの両方を使用する場合、webpackの設定ファイルは以下のようになります。

const path = require('path');

module.exports = {
  entry: './src/index.js',
  output: {
    filename: 'bundle.js',
    path: path.resolve(__dirname, 'dist'),
  },
  module: {
    rules: [
      {
        test: /\.(sa|sc|c)ss$/,
        use: [
          'style-loader',
          'css-loader',
          'postcss-loader',
          'sass-loader',
        ],
      },
    ],
  },
};

この設定では、.scss.sass.cssファイルを処理するために、sass-loaderpostcss-loadercss-loaderstyle-loaderを使用しています。これにより、Sassで記述されたコードをコンパイルし、PostCSSで様々な変換を行い、最終的なCSSをHTMLに適用することができます。webpack以外にも、ParcelやGulpなどのビルドツールも、SassとPostCSSの連携に利用できます。これらのツールを使用することで、開発者は、SassとPostCSSの機能を最大限に活用し、効率的でメンテナンス性の高いCSS設計を実現できます。

SassとPostCSSの導入と設定は、最初は少し手間がかかるかもしれませんが、一度設定してしまえば、その後の開発効率は格段に向上します。それぞれのツールを理解し、プロジェクトのニーズに合わせて適切に設定することで、より快適なフロントエンド開発を実現できるでしょう。

実際のプロジェクトでの活用事例

SassとPostCSSは、実際のプロジェクトでどのように活用されているのでしょうか。ここでは、Sass、PostCSS、そして両者を連携させた場合の具体的な事例を紹介します。これらの事例を通じて、それぞれのツールの強みや、プロジェクトへの適用方法を理解し、ご自身のプロジェクトに最適な選択肢を見つけるヒントにしてください。

Sassを採用した事例

Sassは、その柔軟性と記述性の高さから、多くのプロジェクトで採用されています。特に、以下のようなケースで効果を発揮します。

  • 大規模Webサイトのスタイル管理
    変数、ネスト、MixinといったSassの機能は、大規模なWebサイトのスタイル管理を効率化します。デザインの一貫性を保ちながら、CSSの記述量を削減できます。
  • デザインシステムの構築
    Sassは、デザインシステムを構築する際にも役立ちます。再利用可能なスタイルを定義し、コンポーネントごとにスタイルを管理することで、デザインの変更や拡張が容易になります。
  • チーム開発での効率化
    Sassは、チームでの開発効率を向上させます。変数やMixinを活用することで、開発者間の認識のズレを減らし、コードの可読性と保守性を高めることができます。
具体的な事例

多くの企業のWebサイトや、ECサイトなどでSassが採用されています。これらの事例では、Sassの変数機能を活用してブランドカラーやフォントサイズを一元管理し、サイト全体のデザイン変更を容易にしています。また、ネスト機能を活用して、HTML構造とCSSを対応させ、コードの可読性を高めています。

PostCSSを採用した事例

PostCSSは、その高い拡張性から、最新のCSS技術を積極的に取り入れたいプロジェクトで採用されています。

以下のようなケースで効果を発揮します。

  • 最新のCSS記法の利用
    PostCSSのプラグインを活用することで、まだブラウザがネイティブで対応していないCSSの機能を、今すぐにでも利用できます。CSS Custom Properties(CSS変数)や、CSS Grid Layoutなどをいち早く利用できます。
  • CSSの最適化
    PostCSSは、CSSの最適化プラグインを活用することで、最終的なCSSファイルのサイズを小さくし、Webサイトの表示速度を向上させることができます。
  • ベンダープレフィックスの自動付与
    autoprefixerなどのプラグインを使用することで、ブラウザごとの互換性を考慮したベンダープレフィックスを自動的に付与できます。これにより、開発者はブラウザ間の互換性を意識することなく、CSSを記述できます。
具体的な事例

CSSのパフォーマンスを重視するWebサイトや、最新のデザインを取り入れたいWebサービスなどで、PostCSSが採用されています。これらの事例では、autoprefixerを活用して、ベンダープレフィックスの記述を自動化し、開発効率を向上させています。また、cssnanoなどのプラグインを活用して、CSSファイルのサイズを最適化し、Webサイトの表示速度を改善しています。

SassとPostCSSを連携させた事例

SassとPostCSSは、単独で使用するだけでなく、連携させることで、より強力なツールとして活用できます。以下のようなケースで効果を発揮します。

  • Sassの記述性とPostCSSの拡張性の両立
    Sassの変数、ネスト、Mixinといった記述性の高い機能と、PostCSSのプラグインによる拡張性を組み合わせることで、効率的で柔軟なCSS設計を実現できます。
  • 最新のCSS技術の導入と既存のSassコードの活用
    PostCSSのプラグインを活用することで、最新のCSS技術を導入しながら、既存のSassコードを再利用できます。これにより、移行コストを抑えながら、最新のCSS技術を取り入れることができます。
  • Webサイトのパフォーマンス向上と開発効率の最大化
    SassとPostCSSを連携させることで、Webサイトのパフォーマンスを向上させながら、開発効率を最大化できます。SassでCSSを効率的に記述し、PostCSSでCSSを最適化することで、より快適なフロントエンド開発を実現できます。
具体的な事例

多くの大規模プロジェクトで、SassとPostCSSが連携して使用されています。これらの事例では、SassでCSSを記述し、PostCSSでautoprefixerやcssnanoなどのプラグインを使用することで、開発効率とWebサイトのパフォーマンスを両立させています。また、最新のCSS機能をPostCSSで導入し、SassのMixinと組み合わせることで、柔軟なCSS設計を実現しています。

これらの事例から、SassとPostCSSは、それぞれの強みを活かし、プロジェクトの特性に合わせて柔軟に活用できることがわかります。ご自身のプロジェクトに最適なツールを選択し、効率的でメンテナンス性の高いCSS設計を実現してください。

まとめ:最適な選択肢と、両方を組み合わせる可能性

SassとPostCSS、それぞれの特徴を理解し、プロジェクトの規模やチームのスキル、そして将来的な展望を踏まえることで、最適な選択肢を見つけることができます。

Sassは、CSSをより効率的に記述するための強力なツールであり、変数、ネスト、Mixinといった機能により、開発効率を大幅に向上させます。一方、PostCSSは、プラグインによる高い拡張性を持ち、CSSの最新技術をいち早く取り入れることができます。Webサイトのパフォーマンス最適化にも貢献します。

プロジェクトによっては、SassとPostCSSを組み合わせることで、両者のメリットを最大限に活かすことも可能です。SassでCSSを記述し、PostCSSで最適化を行うことで、開発効率とWebサイトのパフォーマンスを両立できます。

フロントエンド開発の世界は常に進化しています。SassとPostCSSを理解し、適切に使いこなすことで、あなたのCSS設計はさらに洗練され、開発効率とWebサイトの品質を向上させることができるでしょう。

CONTACTUS!

ホームページ制作のご依頼・ご相談

  • 効果測定が可能な、成果重視のホームページが欲しい
  • 問い合わせ件数を増やしたい
  • スマートフォンに対応したホームページが欲しい
  • 簡単な操作で自社管理できるホームページが欲しい
  • サポートと継続的なメンテナンスまで安心してお願いしたい
  • SEOに強い制作会社を探している

ホームページ制作のご依頼・ご相談は、Webディレクターのあがのが対応させていただきます。

新規制作 / リニューアル / 無料相談 070-9000-7474 平日 9:30〜18:00

ご対応エリア:広島県を中心に全国対応